解説:図解を勉強したいあなたへ|図解本の探し方

(本記事は、図解 Advent Calendar 2020 12/1のために執筆しました)

ものごとを学ぶ場合、 まずは本で学習するというのが一般的です。

図解を勉強する場合も、例外ではありません。
この記事では、どの様な本を十読めばよいかをご紹介します。

まず、近所の書店に図解関連の本を探しに行ってみます。
すると、大きく二か所に分かれて置かれていました。

一つは、企画・プレゼン関連のコーナー。 一つは、思考・ロジシン関連のコーナーです。
  • 下から3段目と2段目に、パワーポイントの作り方などの本が並んでいます。
  • 下から3段目に数冊と最下段に数冊、図解の本がありました。

ここから、図解関連の本は、大きく二つのジャンルに分かれていることが分かります。
この分類は、図解の使用目的によるものと考えられます。
一つは、表現の手段として図解。見やすいことで、相手の分かるを実現する目的。
一つは、思考の整理としての図解。これは考えをまとめたり、伝える内容を整理することで、相手の分かるを実現する目的、というものです。

私は、ここにさらにもう一つの軸を追加したいと考えます。
それは、図解するタイミングと、それを用いてコミュニケーションするタイミングの違いです。
このタイミングとは、離れていると同時という二つの状態があります。タイミングが離れているとは、図解でプレゼン資料に作成るタイミングと、それを用いて伝えるタイミングが離れているということです。タイミングが同時とは、打合せなどでホワイトボードに図解を描くタイミングと伝えるタイミングが同じということです。
このタイミングの違いは、図解を描く手法に大きく影響を与えます。離散の場合は、しっかり準備して描くことができ、またPCなどを使って描いたり見せたりすることが可能です。しかし、同時の場合は、その場で即興で描く必要があるので、現実的には手で描くことになります。
さらにこの特徴により、利用シーンも異なります。同時の場合は、双方向の会議や打合せのその場で図解を描き対話を促進するという、ファシリテーショングラフィックへと利用シーンが広がります。

この二軸(縦軸に目的:思考の整理/表現の手段、横軸にタイミング:離散/同時)で、いくつかの本を配置したのでが、以下の図解です。

それぞれの位置に属する本の内容を、大雑把にまとめると以下のようになります。

ジャンル 書籍数 主な内容
表現の手段+
離散
  • プレセンテーションでの利用を想定し、どのように表現すると見やすいか・誤解を与えないかなどの解説が主題となっている。
  • 使用する図解の種類は、数種から数十種が主流。グラフに特化したものや、業界特有の表現などもある。
思考の整理+
離散
  • 思考を整理するために図解を用いる方法を解説している。
  • 使用する図解の種類は、多種多様。○と→で表現するシンプルなものから、独自の図表を用いるものなどある。
表現の手段+
同時
  • 会話の中で伝えたいことを分かりやすく表現するために図解するための技法を解説している。
  • 使用する図解の種類は、簡単に描けることが重要。挿絵の図解も手書き描かれている。
思考の整理+
同時
  • 会話の中で自分や相手の話を整理しながら図解することで速く確実に分り合うための技術を解説している。
  • 使用する図解の種類は、数十種。挿絵の図解も手書き描かれている。フレームワークが解説されているものもある。

あなたの目的や利用シーンに併せて、該当するジャンルの書籍を2~3冊読むことをお勧めします。