解説:合意形成のための論理展開キャンバス

 (本記事は、図解 Advent Calendar 2020 12/11のために執筆しました)

ストラクチャードコミュニケーション協会では、速く確実は相互理解の次のステップとして、速く確実な合意形成のための技法を研究しています。その中で、生まれたのが、論理展開キャンバスです。

論理展開で必要な三つの要素として、事実、論拠、結論があります。茂木秀昭氏は、著書「ロジカル・シンキング入門(日経文庫)」の中で、それを三角ロジックとして帰納法でも演繹法でも利用できる論理展開の要素として三つを紹介しています。


また、相手を動かすために必要な三つの要素として、Why、How、Whatがあります。サイモン氏ネック氏は、TED Talk「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」の中で、ゴールデンサークルとして三つを紹介しています。


この事実、論拠、結論の三つと、Why、How、Whatの三つとを組み合わせて、合意形成のための論理展開キャンバスを作りました。

横軸に、事実、論拠、結論を取ります。この三つには、Why so(なぜ)と、So What(だから何)の関係があります。

縦軸に、目的、戦略、具体策を取ります。この三つには、How to(どうするの=手段)の詳細化を行います。


この論理展開キャンバスは、最終的に合意形成したい事柄を左上の枠=目標(ゴール)欄に記入します。その目標に対する、Whyとして論拠と事実を横方向に用意します。さらにその目標に対する、Howとして戦略と具体策を縦方向に用意します。また、戦略や具体策についても、それぞれWhyとして論拠と事実を横方向に用意します。
この九つの枠すべてを埋め、その枠の間で論理展開をきちんと成り立たせます。そしてこの論理展開キャンバスに従い、合意形成のためのコミュニケーションを進めます。