解説:相手の話しを聴く時に、何をメモするか

(本記事は、図解 Advent Calendar 2020 12/17のために執筆しました)

皆さんは、話し手の話しを聴く時に、何をメモしますか?

普通は、「話し手の発言を文章でメモ」します。


話し手は、A)話し手の考えを、B)話し手の発言、として伝えます。
聴き手は、B)話し手の発言を、C)聴き手のメモ、として書きます。
【 A→B→C 】の流れです。

そして、B)話し手の発言と、C)聴き手のメモの、内容を確認します。
ここで、聴きもらしや、聴き間違いがあれば、発見できます。
話し手は、B)の発言とC)のメモが同じで(B=C)あれば、きちんと伝わったと判断します。
聴き手も、きちんと聴けたと判断します。

ここに落とし穴があります。
確かにC)のメモは、B)の発言と同じです。
しかし、同じ情報を基にしている(B=C)からと言って、C)のメモに基づいたD)聴き手の理解が、A)話し手の考えと同じあるとは言えません(A=B=C≠D)。皆さんも、同じ発言を聴いても、一人ひとりが異なる理解をしていることを経験されているのではないでしょうか。

この様な状況を解決するために、
ストラクチャードコミュニケーションでは、「聴き手の理解を図解でメモ」します。


話し手は、A)話し手の考えを、B)話し手の発言、として伝えます。
聴き手は、B)話し手の発言を基に、D)聴き手の理解をまとめます。
 さらに、D)聴き手の理解を、C)聴き手のメモに描きます。
【 A→B→D→C 】の流れです。

そして、B)話し手の発言と、C)聴き手のメモが、同じであるかを確認します。
この確認方法は、先の場合は同じですが、描かれいている内容が異なります。
今回は、D)のメモが、C)聴き手の理解に基づいている点です。
つまり、B)の発言とC)のメモを通じて、A)話し手の考えと、C)聴き手の理解が、同じかを確認しています。A=B、D=C、B=C、故にA=Dを、確認しているのです。

さらにストラクチャードコミュニケーションでは、、「D)聴き手の理解したことを、C)図解でメモ」します。図解での表現は、文章より直感的で情報の構造が分かり易いです。これにより、メモの内容を短時間で把握し易くなり、かつ文章では分からない理解の違いを顕在化させることができます。