事例
なじみのないジャンルの本は、分厚い本から読んでいくこのような「読書」の巨人の読書スタイルは、私にとってほど遠く、どこまで参考になるのか怪しいものです。しかし、本書の中では、「真似てみよう」と思う箇所がありました。それは、第2章に書かれている「未知の分野の勉強のしかた」です。通常、なじみのない分野を勉強しようとする際、入門書から入ります。「はじめての」や「だれでもわかる」というようなフレーズが書名に入った、読みやすそうな本です。ところが出口さんの方法論は真逆です。まずそのジャンルの書籍を7~8冊取り寄せる。そして分厚い本から順番に読むとのことです。4~5冊読む頃には、そのジャンルの全体像がだいたい頭の中に出来上がるので、最後に薄い入門書を読むと、詰め込んだ知識がいっきに体系化されるとのことです。・・・・(詳細、出典参照) 出典:読書とは知識を吸収するためのものではなく知識の体系を築くためのもの DHBR編集長ブログ |
解説
普通は、読みやすそうな「入門書」から、難しそうな「分厚い本」へと読み進みます。
しかしここでは、情報量の多い「分厚い本」から、薄い「入門書」へと読み進む方法論を説明しています。
今回は、この部分の図解表現について、考えてみます。
内容を構造化する
まず、事例の構造を考えます。
今回は、「入門書」と「分厚い本」という二つの話題について、その関係性から構造を考えます。
「入門書」から「分厚い本」へと読み進めるという時間の経過と、読みやすそうな「入門書」と難しそうな「分厚い本」という、難易度の違いとの二つの関係性が有ります。
この時間変化と階層という二つを同時に表現する構造としては、段階が適しています。
図1は、「入門書」から「分厚い本」へと読み進むことを、図解しています。
図2は、「分厚い本」から「入門書」へと読み進むことを、図解しています。
これでも、事例の意図を説明できるでしょう。
しかし図2では、「分厚い本」から「入門書」への段階を単純に下っていくような感覚を受けます。
事例の「分厚い本から順番に読むことで、全体像が頭の中に出来上がる。最後に入門書を読むと、知識がいっきに体系化される」との感覚を表現しきれていません。
他の構想と図解で表現してみましょう。
階層で図解してたのが図3です。
段階同様に、「分厚い本」から「入門書」への下っていく感覚は、図2と同じです。
図4は、三角形を逆にして上に「分厚い本」を配し、下に「入門書」を配してみました。
「入門書」を下に配したことで、深い所にある核心的な意味合いを持たせることができそうです。また、面積の大きさが、情報量を表現することもできそうです。
図5、重複での図解 |
重複で図解したのが図5です。
図4と同様に、外円に「分厚い本」を配し、中心円に「入門書」を配することで、入門書に核心的な意味合いを持たせることができます。
図4と図5は、共に「入門書」を核心的な意味合いを持たせるような図解です。皆さんは、どの様に感じますか?
図3~図5は、「入門書」や「分厚い本」を難易度や、情報量などの何らかの基準で別の階層にあると考え構造化していました。
今度は、時間変化に着目して構造化してみます。
時間変化を表すのに適した構造は、順列です。
図6は、「入門書」から「分厚い本」へと読み進むことを、図解しています。
図7は、「分厚い本」から「入門書」へと読み進むことを、図解しています。
この図解は、今までの図解とは異なり、各話題に上下や大小と言った関係がありません。
図6は、「入門書」から始め、情報量の多い「分厚い本」へと読み進める感覚が伝わります。
図7は、情報量の多い「分厚い本」から始め、より集積された「入門書」へと読み進める感覚が伝わるように思います。