解説:情報を分類する視点の違いとデザイン

(本記事は、図解 Advent Calendar 2021 12/17のために執筆しました) 

ストラクチャードコミュニケーションでは、構造化の手順を以下の4ステップとしている。

  1. 必要な情報を収集する(収集)
  2. 情報を分類し、話題にまとめる(分類)
  3. 話題の関係から構造を決める(構造化)
  4. 構造に従って表現する(視覚化)
同じ情報に接しても、分類の仕方が異なれば話題も異なり、その後の構造化や視覚化も、異なってくる。話題が異なる要因の一つに視点の違いがある。その事例を紹介する。

まずは、以下のブログを紹介する。

 このブログでは、システムエンジニアのAさんと、デザイナーのBさんの画面をデザインする工程を比較し、その違いを紹介しています。


このブログでは、デザイナーのBさんのような画面デザインを作るためのポイントを6つ紹介している。

その中で特に、情報の分類に関することを説明したい。

SEのAさんは、仕事がらシステムの実装方式をいつも考えている。よって、情報を分類する時も、その視点だ考える。例えば、
  • 個人に関する情報として、会員番号、氏名、生年月日…
  • トレーニングに関する情報として、コース、料金、レベル…
  • トレーニングの履歴や予約に関する情報として、日時、内容、トレーナー…
これは、データーベースを設計する時に重要な要素である。IT業界ではER図と言われる表記で描く。
デザイナーのBさんは、仕事がら利用者の視点でいつも考えている。よって、情報を分類する時も、システムの利用目的の視点で考える。例えば、
  • 会員に連絡する時に必要な情報として、会員氏名、連絡方法…
  • トレーニングメニューを作る時に必要な情報として、過去のトレーニング履歴、体重や各部位の変化
  • トレーニング中の指導に必要な情報として、トレーニングへの要望、直近の履歴や推移…
この視点は、IT業界ではユースケース図として表記される内容とも言える。利用者がシステムをどのような目的で利用するかを描くものである。
この視点の違いにより、情報のまとめかたが異なり、ひいてはデザインにも大きな違いを与えていると考えています。