比較|基本

選択の指針


個々の話題を幾つかの項目で比べます。
意思決定や判断を行う際、複数の話題を比べてその差や違いが明確になるよう説明します。

図解イメージ


比較は、表やグラフで表します。
表の場合は、比較案と評価項目(後述)の数に合わせて表を描きます。評価項目の最後に総評などの項目を入れて、総合的な意思決定や判断を示します。
グラフの場合は、意思決定や判断の目的によって適切なグラフを選択して描きます。


主な伝達内容


比較で伝達する場合は、比べられる話題を比較案(例えば、案1、案2、案3など)、比べる観点を評価項目(例えば、費用、効果、実現可否など)として用意します。
評価項目を選定する場合は、偏りや漏れがないように注意します。評価項目を選ぶ際はフレームワークを利用したり、他者にアドバイスを求めたりするとよいでしょう。

口頭で表現する際のポイント


要約では「比較」という単語を使って情報の構造を示すことです。

 例)
  • 3つの案を比較します。
  • 案Aと案Bを比較します。
詳細では、初めに比較案を示し、その後で評価項目を示します。
また、比較案と評価項目の交わる箇所について説明します。

 例)
  • 案Aの項目1は○○、案Aの項目2は○○、……
  • 案Bの項目1は○○、案Bの項目2は○○、……

描き方

  1. 上段に1本横線を引きます。その上に話題を等間隔で書きます。
  2. 話題を区切る縦線を書くます。
  3. 左側に比較する項目を書きます。項目数を意識し、全てが入るように配置します。
  4. 説明に従い、対応する箇所にポイントを書き入れます。

事例


新システムの構築(主題)にあたり三つの案を比較検討しましたので、その結果を報告します。
比較検討した三つの案は、自社開発(話題1)、パッケージ導入(話題2)、SaaS適用(話題3)です。各案について、当社の要望に適合するかという適合性の観点(項目1)、必要なコストや資源の観点(項目2)、決定から稼働までの導入期間の観点(項目3)の三つの項目について評価しました。結果は、自社開発の適合性は高いものの、コストが高く、導入期間は長いと評価しました。パッケージ導入は、それぞれが、普通、やや高い、やや長いと、三つの案の中では、中間の評価でした。SaaS適用は、適合性こそ普通でしたが、コストが安く、導入期間も短いと、総合的には最も良いと評価しました。詳細は、資料をご確認ください。
以上が、新システム構築について三つの案を比較した結果です。今回はSaaS適用で構築したいと考えます。ご承認をお願いします。

その他の図解例


Web会議システムのメリット/デメ
リット
 
SnSの世代別利用率

 

ECサイトの取引高と売上高の比較
(表)
 
ECサイトの取引高と売上高の比較
(グラフ)
 
上左図と上右図の2つの図解は、同じ内容を表とグラフで描きました。表は、具体的な数値を示したり多くの項目で比較したりする場合に適しています。グラフは、直感的に差を示す場合に適しています。

フレームワーク


  • 汎用的な比較のフレームワーク
汎用的な比較表
  • 現状とあるべき姿を比較
As is / To be
  • 特定の案や考えについてメリット/デメリットを検討
メリット/デメリット
     
  • 制御の可否を分類し注力する制御可能なことを検討
制御可能/制御不能
  • 活動を満足向上と不満削減に分け、効率と効果の両立を検討
 満足向上/不満削減
  • 限られた資源を有効に使うため、すること/しないことを検討
 すること/しないこと