事例
なぜ、従業員の待遇がよいほどイノベーションが生まれやすいのか従業員への待遇をよくすれば、イノベーションに寄与するのか。ここ数年の諸研究に示される知見を紹介しながら、従業員のリスクテイクと長期的コミットメントを促す待遇こそがカギであることを示す。 グーグルやフェイスブックのような会社は、なぜ従業員にかくも多くの特典を提供しているのか。その理由を示す新たな研究がある。従業員の待遇がよい会社ほど、イノベーション力が高いのだという。 オーストラリアのモナシュ大学とラトローブ大学の研究者らは、従業員への待遇を示す一般的な尺度と、特許に関するデータとを対比した。その結果、待遇度のスコアが高い会社ほど、より多くの特許を取得し、しかもその被引用回数も多いということがわかった。それだけでなく、特許の妥当性、つまり会社の持つ専門性との関連度も高かったのだ。 従業員への待遇(安全、雇用者と従業員の関係、多様性、コーポレート・ガバナンスなど)とイノベーションとの相関性は、企業規模やR&D投資額を含む多数の要因を調整した後でも依然として見られた。なぜ、従業員が受ける恩恵が会社のイノベーション力を高めることもあれば、そうでない場合もあるのか。そのカギは「長期的なインセンティブ」であることが、経済学の理論から示唆されている・・・・(詳細:出典参照) 出典:なぜ、従業員の待遇がよいほどイノベーションが生まれやすいのか HBR.ORG翻訳マネジメント記事 |
解説
イノベーションが生まれやすいことについて、それを推進するモノ(青い○)と、阻害するモノ(赤い✕)が、述べられていることが分かりました。
図1.聴いた内容の図解 |
- 従業員の待遇
- 従業員へのストックオプション
- 従業員の解雇を困難にする法律
- 長期的なインセンティブ
- 短期的な失敗が許され、見返りすら与えられる環境
- 労働組合の結成
- 短期的に成果を上げるようプレッシャーを感じる
内容を構造化する
聴いた内容を基に、聴き手として内容を構造化します。
先ずは、「上記の推進するモノ「と「阻害するモノ」で、対比の構造を思いつきます。
図2.配置での図解 |
すると、もう一つの軸を見つけることができました。それは、「制度・仕掛け」などの人事的なハード面での要素と、「文化・環境」などのソフト面での要素です。
図2は、配置での図解です。
- 横軸には、「イノベーションが生まれやすい」という観点について、左に「負の相関(阻害するモノ)」を、右に「正の相関(推進するモノ)」を取りました。
- 縦軸には、上に「制度、仕掛け」のハード面を、下に「文化・環境」のソフト面を取りました。
もちろん、対比の構造で描いても十分です。
しかし、もう一つ軸を見つけることができると、より分析的な表現になります。
対比の構造を思いついた時には、もう一つ軸を見つけることを考えてみましょう。